公演記録#1.ずばぬけてさびしいあのひまわりのように(‘94.11.20)

【会場】奈良教育大学 講堂

【原作・脚本】俵 万智 

【スタッフ】演出/太田垣 学 照明/山口 砂富 音響/讃井 雄 舞台監督/太田垣 学
大道具/久下沼 有希子 サポート/松永 陽史 橋之口 尊文 手塚 有紀 藤原 亮祐

【キャスト】桜木 ハルミ・・・廣田 真理  
      蕗谷 賢治・・・上野 匡 
      花田 亀吾郎・・・川城 精司  
      北川 ユリ子・・・添谷 史香 
      渡辺 たかし・・・河合 丈志  
      田川 耕作・・・土井 敬真
      樋口 明夫・・・川阪 俊一
      八十島 保・・・西岡 慎介 
      牛島 正太郎・・・太田垣 学

【あらすじ】
こんなのどかな村が今の日本に残っていたなんて…。
そんな風にさえ思わせる「めぐり村」に、天才歌姫と評判の女子高生を訪ねて、東京からやってきたプロダクションマネージャー:蕗谷 賢治。未来に大きな夢を抱く、一本気で自由奔放な少女:桜木 ハルミは、そんな蕗谷の突然のスカウトに、戸惑いながらも故郷を離れる決心をする。美術教師:花田 亀吾郎への一途な恋心を抱くハルミ、そんなハルミを心配しつつも慕う、硬派で保守的な幼なじみの牛島 正太郎、またその正太郎をひそかに思う北川 ユリ子。そしてその同級生たち。みな一様に、めぐり村への愛着と、都会へのあこがれ、将来への期待と不安に揺れていた。
そんな彼らの前に現れた都会からの来訪者、蕗谷。それをきっかけに彼らの未来は大きく枝分かれしてゆく。夢とは?希望とは?成功とは何か。誰もが行き当たる青春の壁。岐路に立たされた高校3年生の夏から10年、めぐり村にまた夏が巡ってきた。
「一生が一瞬に思える」「一瞬が一生に思える」そんな「瞬間」を探し求めて浮遊する彼らの見つけたもの、それは草原を吹き抜ける風に揺れる、大輪の「ひまわり」だった………
つか劇団の演出に恒例のキャストによる歌とダンスや、めぐり村の伝統ある芝居小屋「めぐり座」で繰り広げられる「牛島 正太郎・軍服ショー」など、劇中レビューも見所。

【解説】
記念すべきキラキラ座第1回旗揚げ公演の演目。
原作は「サラダ記念日」で著名な作家、俵 万智氏。俵万智第一回戯曲作品として、つかこうへい事務所により、1994年1月に初演された。(ちなみに主なキャストは桜木ハルミ:生方和代/牛島 正太郎:山崎銀之丞ほか)
キラキラ座は座長:太田垣 学(当時:院1回、劇団東俳所属)の呼びかけで、同輩・後輩の有志により結成された。当初は1回限りの単発公演として上演、「旗揚げ、即解散」の予定だった。
座長の太田垣が役者修業で上京中、つかこうへい劇団の公演を見て深く感銘を受け、自分たちもこんな舞台をやってみたい!という思いから、大学復学後の秋に急遽スタッフ・キャストが召集された。太田垣の内心には、「このキャストならあいつに…」というようなおおよそのイメージは出来上がっていたらしい。ほぼ主要キャストは太田垣によって直接口説かれた。とりわけ主役の桜木ハルミ役のターゲットにされた廣田真理(当時院2回)に至っては、勧誘された時、修了論文制作の真っ直中だった。(太田垣の学部時代の同回生。太田垣の役者修行休学により、1学年差が開いた)当然のごとく、当初参加に躊躇した廣田だったが、太田垣に提供されたオリジナルの舞台資料に触れ、脚本のテーマに深く共感。半ば現実逃避も手伝って、以後意欲的に舞台制作に参加。無事主要メンバーも揃い、太田垣座長の指示の元、台本のセリフを一言一句変えることも許されない厳しい演出が続いた。プロが書いた脚本。つかこうへい劇団で目の当たりにした完璧な舞台。太田垣の求める完成度のハードルは高かったが、公演までおおよそ1ヶ月の突貫工事でなんとか初舞台に漕ぎ着けた。
この時は、キャストと裏方が兼任で、台本起こしから音源、小道具手配まで、ほぼキャスト自らが奔走して揃えた。当日生演奏で花を添えた手塚・藤原両氏や、後にキャストとしてキラキラ座に招かれることになる、技術科所属(当時)の久下沼氏の大道具製作協力などは、とても心強いバックアップになった。(藤原氏も第2回公演よりキャストに招かれる)
バックアップといえば、深夜に及ぶ制作や稽古の合間に心温まる差し入れをしてくれた時政氏も、キラキラ座の母として、この後も大きく関わることになる。(時政氏は後に10周年記念公演の#26にて初舞台を踏むことに…)
1発勝負の初演当日。
当時奈教に活動中の演劇サークルがなかったこともあり、珍しさからか、思いの外客入りは盛況だった。殊に最前列で熱心にご覧になっていた西野教授(彫塑研究室)。プロの舞台のいわば「コピー芝居」ではあったものの、キャスト達の熱演にいたく感動された教授は終演後、座長太田垣と握手を交わし「2時間が短く感じましたよ」と、最上級の褒め言葉を下さった。その言葉に座長は思わず胸を熱くしたという。これを機に、西野教授自ら顧問役を買って出てくださり、キラキラ座は後に有志サークルから大学公認の「部活動」へと昇格することになる。
オリジナル作品ではなかったが、それぞれがドシロウトなりに完成度は高く、キラキラ座にとって記念すべき第一歩となった。
【文責/OB:廣田真理】
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ジャンル : 学問・文化・芸術

公演記録#10.大化改新(‘98.11.22)

#10
【会場】奈良教育大学 講堂

【脚本】四宮 豊 

【スタッフ】演出/太田垣 学 照明/吉川 維久子 音響/岡部 美紀 舞台監督/太田垣 学
サポート/川城 精司 星川 大輔 平山 聡子 峰垣 文彦

【キャスト】中大兄皇子・・・四宮 豊  
      大海人皇子・・・柴田 貴之 
      中臣鎌子・・・藤原 亮祐  
      太安麻呂・・・岩瀬 直子 
      網田・・・櫻井 雄輝  
      山崎・・・松田 英子
      山崎の母・・・添谷 史香
      倭姫王・・・佐藤 佳世子 
      遠智郎女・・・近藤 亜紀子
      鑑姫王・・・明井 美絵
      額田王・・・三好 亜由美
      石川麻呂・・・荒木 祥次
      蘇我入鹿・・・月出 修司
      皇極天皇・・・廣田 真理
      ナレーション・・・太田垣 学

【あらすじ】
(後日追記)

【解説】
キラキラ座第10回記念公演。
歴史9部作の記念すべき第一作。(しかし、9部作は未だ完結していない)
(以下、後日追記)

【バックステージ】………こぼればなし
○月出 修司が演じた蘇我入鹿の登場シーンは、客席後方より「入鹿」のネーム入りのコウモリ傘をさし、誘導灯に導かれてゆったりと登壇。客席に向けられた傘をザッと畳むと、涼しげな入鹿がニヒルな笑顔を見せる、といった歌舞伎の花道さながらの印象的な演出だった。(この時は二枚目役だったのだが………)

○「山崎」が快活で、感情の起伏が激しいキャラクターであったため、舞台上ひときわワントーン高いテンションで走り回るエネルギッシュな設定だったのだが、見事に演じきった松田英子は、以後「元祖パニック女優」と言われるようになった。(第12回公演「本能寺変」でも、冒頭松田演じる森蘭丸のパニックシーンから始まる。)

○皇極天皇役の廣田真理は、当時OBとして途中参加。(その割りにはラストどんでん返しで重要なシーンを担う)しかし、スケジュール調整が困難を極め、公演当日東京から早朝の新幹線にて奈良に駆けつけるハメになる。(セリフが6行しかなかったのをいいことに、先約だった友人とのディズニーランド旅行を強行していたため)
開演40分前に、涼しい顔で楽屋入りした廣田を、寿命の縮む思いで待ちわびていたスタッフ達。ことに脚本作・主演の四宮は、廣田の姿を見て第一声「あーーーー!これで芝居ができるぅぅぅ~」と、思わずその場にへたりこんだ。

○中臣鎌子役藤原亮祐は、中臣鎌子=藤原鎌足の「藤原」に掛けてキャスティングされたやに思うが、実は鎌子の計算高そうなキャラクターにマッチしたからのようだ。
本番、登場直後のストーリーテラーとしての重要な場面で噛み倒し、本人も思わず口に出して「やばい」と言ってしまった。その瞬間客席がドッと沸き、場が温まったため、皮肉にも以後テンポ良く舞台は進行していくこととなる。大きな失敗をしたくせに、逆に客の関心を引き、登場の度に注目をさらった藤原に対し、主役の四宮は少なからずジェラシーを覚えたという。

○「山崎の母」を独自の間合いで見事に演じきった添谷史香は、これを機に「母」キャラを確立。(キラキラ座の「もたいまさこ」とも…)以後数回にわたり、この「母」キャラは歴史9部作シリーズに登場する。

○歴史作品ということもあり、特に衣装に工夫が凝らされた。衣装制作は添谷を中心に、女性キャストらによって制作される。以後歴史9部作にはその時代毎の衣装が舞台を飾ることになる。この第10回記念公演は、登場人物が多く、その大半が皇族ということもあって制作には困難を極めたが、全員が登壇するクライマックスシーンではその華やかさは見事だった。

【文責/OB:廣田真理】

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公演記録#12.本能寺変(‘99.11.13/14)

【会場】奈良教育大学 講堂

【脚本】四宮 豊 

【スタッフ】演出/太田垣 学 照明/久田 清人 音響/一ノ瀬 友美 衣装/添谷 史香
小道具/藤原 亮祐 岩瀬 直子 舞台監督/太田垣 学
サポート/佐藤 佳世子 新谷 倫子 川城 精司 四宮 良子

【キャスト】織田信長・・・柴田 貴之  
      森蘭丸・・・ 松田 英子
      母・・・添谷 史香
      ルイス=フロイス・・・岩瀬 直子 
      ガラシヤ・・・明井 美絵
      濃姫・・・三好 亜由美
      雑兵・・・福田 賢 月出 修司
      住職・・・柳瀬 雄一郎
      明智光秀・・・四宮 豊

【あらすじ】
(後日追記)

【解説】
歴史9部作の第2弾として上演された。
(後日追記)

【バックステージ】………こぼればなし
○織田信長役の柴田貴之の、ある意味歴史を覆す「柴田信長」のキャラが光った。
本能寺が「宿泊施設」という設定で、火に包まれた時思わず枕元の電話からフロントに助けを求める信長の慌てっぷりが笑いをさそった。おっちょこちょいキャラを演じさせればひときわ光る柴田ならではの信長。

○異変に気付き「火事でござるぅぅぅ~」と右往左往する森蘭丸を演じたのは、第10回公演で「パニック女優」として開花した松田英子。ボーイッシュながら色白の彼女が演じる蘭丸は舞台を華やかにした。

○「大化改新」でブリブリのキャラクターを演じていた三好亜由美は一転、この舞台で妖艶でたくましい濃姫役を見事に演じきった。脚本の四宮が、その演技に惚れたのかは定かではないが、後に三好は四宮夫人となった。

○ルイス=フロイス役の岩瀬直子は、地毛の天然ウェーブヘアを活かし、ほぼヘアメイクなしてポルトガル人フロイスを演じきった。(宣教師特有のエリマキトカゲのようなヒダヒダの白いエリがあれほど似合う人を私は知らない)このウェーブヘアといい、「大化改新」の安麻呂のメガネといい、岩瀬はその役柄をほぼ「素」で演じられる天性のキャラクターを持っていた。

○彗星のごとく現れた、住職役の柳瀬雄一郎はどこか「酒井くにお とおる」の「とおるちゃん」を思わせる不思議な存在感だった。学生とは思えぬ独特の老成した雰囲気を醸せる貴重な存在であった。

○歴史9部作、といいながら未完の作品も数多い。
#10(歴史9部作第一弾)のパンフレットには
「COMING SOON!
次回作 [歴史9部作 第二弾   弓削銅鏡] 
実は銅鏡は……… 衝撃の歴史超大作スペクタクル絵巻!」
の告知が載せられているが、未だ上演の日の目を見ない。
ちなみにこの#12(歴史9部作第二弾)のパンフレットには
「COMING SOON!
次回作 [歴史9部作 第3弾   赤壁大戦] 
ー羅貫中『三国演義』よりー」
が告知され、松田英子の諸葛亮はじめ、柳瀬の曹操など、まさしくそうそうたるキャスティングまでが堂々と記載されている。今になって思えば2008,2009年に公開された映画『レッドクリフ』の先を行く公演になるはずだった。しかしながら残念なことに公演記録にはその名を留めていない。着眼点は良かったが、スケールが壮大過ぎたのかも知れない。
もしやジョン・ウーにパクられたのではあるまいか?との見方もあるが、もちろんそんなことはあり得ない。

【文責/OB:廣田真理】

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公演記録#17.大唐西域記(‘01.11.11)

#17

【会場】奈良教育大学 講堂

【脚本】 月出 修司
【脚本補】高橋 曜

【スタッフ】演出/太田垣 学 演出助手/月出 修司
照明/鈴木 志穂 音響/千葉 理詠 衣装/添谷 史香
サポート/柴田 貴之 佐藤 佳世子 荒木 祥次 大屋 洋介 乾 英治

【キャスト】玄奘三蔵・・・村上 洋  
      太宗・・・ 徳田 啓二(客演)
      呉承慶・・・長山さち子
      袁守誠・・・石井くるみ 
      武照・・・樋口弓弦

【あらすじ】
(後日追記)

【解説】
(後日追記)

【バックステージ】………こぼればなし
○客演の徳田啓二は当時声優(の卵?)であったらしい。その声と表現力を買われて客演として招かれた彼は、生瀬勝久をひとまわりコンパクトにした感じの風貌にチャイナドレスがまぶしかった。(彼の消息を知りませんか?)

○石井くるみ演じる袁守誠が水晶玉の代わりに携帯電話で占いをする、という、まさにモバイル文化到来、平成の時代を反映する演出であった。

○パンフレットの紹介文に玄奘三蔵を「長身で絵のように美しいと伝える歴史書もある」と記載されているが、その対極にあるのが玄奘三蔵を演じた村上 洋であった。ヒーローもの出身の2枚目俳優を想像させるような紛らわしい名前であるが、実物の彼は、UFOキャッチャーで捕まえたくなるような愛くるしい(?)ほのぼのキャラなのであった。

○この頃パンフレット記載の「次回作」も、「オオカミと少年」状態が定着してしまったのだろう、
「劇団キラキラ座次回作?」
と、末尾に「?疑問符」が付くようになり、またその演目も
「ミュージカル 奥の細道」と、すっかり開き直ってしまっている。
言うに事欠いて
「あのル○カスフィルム全面協力!? CG特殊効果による初の試み!!
音楽・板本龍一、振り付け・パパイヤ鈴本!」
とのあきれた表記も堂々と記載されている。
なんでもかんでも「?」が付けば、「予定は未定」で済まされるといった悪ふざけ。
文末の「乞うご期待!!」に二つもビックリマークが付いていることが、ことさらむなしさを醸し出しているように思えてならない。
もちろんこの公演が上演されたという記録は残ってはいない。


【文責/OB:廣田真理】

テーマ : 演劇・劇団
ジャンル : 学問・文化・芸術

公演記録#18.他人戦隊ストレンジャー(‘02. 7.10)

#18
【会場】奈良教育大学 講堂
【スタッフ】脚本・演出●小柳 亮 美術●安藤花恵 舞台監督●村上依里etc
【キャスト】赤野一人/ストレッド・・・小柳 亮、情報部部長・中西恵美(ダイモン団長)・・・安藤花恵、科学部部長・大場 九(総司令の声)・・・花岡宗憲etc

【あらすじ】
TANIN・・・タニンとは、
Toward darkness ANtagonistic INternationalの略称である
世界の平和を守る、暗黒組織国際対策委員会タニンは、
強大化した数々の暗黒組織に対抗すべく、強力戦隊ストロングレンジャー部隊・・・通称「ストレンジャー」を組織。選抜テストを各支部で実施して、5人の優秀な隊員を選び出した。
だが、テストを実施した5つの支部は謎の敵の奇襲を受けて壊滅、隊長は重傷を負い、4人の隊員もそれぞれ行方不明になってしまった・・・
隊長候補だった赤野一人は補欠合格となったが、本部に着くなり、集まった隊員は自分だけだと知らされ、愕然とする。強大な敵を前に誰もが戦意を喪失してしまったのだ・・・。

そこへ、暗黒組織ダイヤモンドダスト出現の報!
強化服は5つ完成しているものの、装着する人員は1人・・・
果たして、一人は1人でどう立ち向かう!?


【解説】
02年度の新人公演にして、「超能力刑事」「8犬伝」へと繋がる、キラキラ座ヒーローもの路線の第1段。
正式タイトルは「他人戦隊ストレンジャー 第1話 新戦隊登場!あと4人は誰だ!?」

当時、1回生のデビューとなる「新人公演」は台本も演出もメインキャストも、全て1回生が務める(上回生は補佐に徹する)のが、通例となっていた。
#13・#15の各新人公演もこれに該当する。現在の新人公演では、1回生は役者に徹し、2回生が脚本もしくは演出のデビューをするという形に落ち着きつつある)

この作品も、当時1回生だった小柳が脚本・演出・主演を担当。
実は「他人戦隊ストレンジャー」は小柳が大学入学以前から、遊びで考えていた話。ストレッドの一人だけがレギュラーで、残りは一人がその場で偶然居合わせた人に頼んで、変身してもらう・・・、つまり、レッド以外のメンバーは毎回総入れ替えという戦隊である。スーパー戦隊シリーズと同一フォーマットで作ることを前提に、全52本のプロットが出来た状態だったのだが(どんだけ暇だったんだ・・・)、その1~3話の内容をくっつけて、舞台用に改編したのが、本作である。そのため、第一稿が出来上がるのはかなり早く、対抗馬が出る間もなく、演目は本作に決まったのである。(先にプロットを用意した者勝ちという状況は、今もあまり変わっていない)

・・・しかし、問題はここから。当時の小柳は舞台の芝居を全く見たことが無く、ハッキリ言って映像と舞台の明確な区別がついていなかった。ストレンジャーはそもそも、映像想定。そのため、できた台本はやたらと舞台転換が多く、芝居としては無理の多いものだった。

しかも、十分な数のキャストを集められず、ストレンジャーは3人までが限度、一部のキャストがタニンの関係者と暗黒組織の戦闘員の2役をせざるを得ない事に・・・

結局、改稿を余儀なくされた訳だが、ここで小柳は開き直り、「タニンの関係者が暗黒組織の戦闘員を演じる」という話に変更。つまり、「ダイヤモンドダストとの戦いは、あくまで補欠だった一人のリーダーとしての資質を図るための模擬戦闘」というオチが加わり、単純にワルをやっつけてオシマイ!という初稿の流れとは一味違うものになった。

創作劇の場合、制作上の問題にぶつかっても、大胆な変更が効く。しかも、その変更が当初想定していなかった面白さを生む・・・

その事を身を以て実感できたのは収穫だった。



しかし、暗転の多さは結局変えられず、一旦ハケての変身もうまくいかず(おかげで、悪役連中がかなりアドリブで繋ぐはめに・・・) 、変身後の衣装もかなり妥協したものしか製作できなかった(悪役サイドのマスクは美術の安藤氏による素敵なものが出来上がった)。全体的にはかなりグダグダなものとなってしまい、以降、小柳の「如何にヒーローものを舞台上で演出するか」の研究が始まる・・・
(ちなみに、ヒーローの納得いく衣装は、翌年の子どもフェスティバルでのコーナー企画「輝甍戦士フェスティバン」となって結実。舞台上での一発変身は、#32でのサンタからフェスティバンへの変身シーンで叶う事となる)



なお、公演終了後しばらくして・・・

#19の内容検討の席上、「今までの公演をくっつけてみたらどう?」というアイデアが出された。それを受けて、本作の作品世界に#13・#15・#17のキャラクターをゲスト出演させた「他人戦隊ストレンジャーALIVE~独裁西域記~」の執筆を始めるが、1年近くに渡る執筆期間の内に、ボリュームが膨らみ過ぎて、今度こそ舞台に乗せるのが不可能となり、劇団キラキラ座誕生10周年記念の「CDドラマ」として日の目を見ている。


【キャラクター・ピックアップ】
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◎赤野一人/ストレッド(絵はSD化した設定デザインと強力戦隊のマーク)
 強力戦隊ストレンジャーの行動隊長。
 ギターを持って、テーマ曲「二人の地平線」を歌いながら登場するが、実はギターを弾く事は出来ず、メロディーは別にラジカセを用意して流している。
 ストレージチャージャーに内蔵された伸縮自在の超高性能強化服ストレッチアーマー (伸縮自在故、誰でも装着可)を「ストレッチャージ!」の掛け声で装着、ストレッドに変身する。
 ギターに専用銃ストレンジブラスターを合体させると、強力な必殺武器「ギタリストキャノン」になるが、発射時の反動圧力が物凄く、5人いなければ、まともに使う事が出来ない(設定だったが、前述のキャストが揃えられない理由で、3人いればなんとか耐えられる事に・・・)
 一人は、この必殺武器を使うためにも、共に戦ってくれる仲間をその場で見つけ出さねばならないのだ!

【文責/OB:小柳 亮】

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公演記録#26.文楽元化の音がする?(‘04.11. 7)

【会場】奈良教育大学 講堂
【スタッフ】脚本・演出●小柳 亮 舞台監督●太田垣 学etc
【キャスト】舞台監督・・・花岡宗憲、演出・・・小柳 亮、企画宣伝係長・・・西山明乃、PA・・・清水香織、客・・・松井満梨江、ウインドアンサンブル部長・・・田屋千春、文化会会長・・・村上依里、漫画研究会会長・・・月出修司、軽音楽部部長・・・柴田貴之、華道部部長・・・廣田真理etc

【あらすじ】
2004年秋、文化会の立ち上げを記念して企画された、奈良教育大学の文化系サークル・初の合同イベント「文楽元化」
その本番を1時間前に控え、会場の講堂内では何人ものスタッフがバタバタと動きまわっていたが・・・
いつまで経っても会場入りしないウインドアンサンブル!
壊れてしまったイメージキャラクター・シカ蔵!
直前になって「出来ない!」と言いだす司会者!
トラブルに次ぐトラブル・・・
果たして、本番開始時刻に間に合うの!?



【解説】
劇団キラキラ座誕生10周年記念公演
・・・だが、キラキラ座単独の出し物ではなく、文化系サークル合同発表会「文楽元化」の中のトップを飾る(悪く言えば前座にあたる)企画だった。

冒頭「イベントの準備が出来てません!」という文化会会長の謝罪から始まる本作は、イベントスタッフの舞台裏での奮闘を舞台上でやってしまうという、#2「SHOW MUST GO ON」へのオマージュを狙った作品。全てのキャストがイベントのスタッフ役か各サークルの代表者の役で出演しているが、実際にイベントのスタッフでもあった花岡と小柳は自分の役で出演している。

勿論、10周年記念公演としての側面も色濃くあり、現役団員に加えて6人のOBが出演。
(華道部部長はひまわりの被り物をつけ、軽音楽部部長はギタリストキャノンを携えて現れる)

更にはキラキラ座の母・時政さんも初舞台を踏み、「バームクーヘンは誰も食えへん」等の食えない迷台詞を言う茶道部部長役を見事に演じきった。

また、劇中では小柳と月出が唐突に「パワーマイム」(某ピスタチオのお家芸)を始める場面も存在し、当時劇団内で何が流行っていたか、うかがい知れるというものである。(当日、大阪から来られた他劇団の方が観客にいたらしく、アンケートに「ここで観れるとは思わなかった」と書いて下さった)

クライマックスは、本物のウインドアンサンブルが芝居のさなか、スタンバイし、キラ座の芝居が終了と同時に、そのままイベント本編に突入する。その開始時刻は勿論決まっていたので、キラ座の芝居は1時間きっかりで終わらせないといけないという苦労もあった。

因みに「文楽元化」全体の企画立案も、当時文化会の副会長だった私。
朝からトータル5時間以上に渡る長大な企画だったのだが、それゆえ、集客はかなりまばらになってしまった。
これなら、各サークルの単独演奏はオミットして、午後開始にし、「キラ座」⇒「ザ・生オケテン」(ウインド、ギタマンの生演奏によるカラオケ大会。かなり盛り上がった)⇒「音楽系合同ユニット演奏でフィナーレ」の流れでいった方が、いい感じになったのではないかと、今更ながら反省している。
FNSの日27時間テレビが大好きなこやんさん、何でもかんでも詰め込みたがる悪い癖がここでも出た。

ちなみに、文化会イメージキャラクターのシカ蔵
このイベントをきっかけに誕生したのだが、あまり定着しなかった。
黄色いシカのキャラクターというのは、現在の奈良教育大のイメージキャラクター「なっきょん」の先駆けとも言えなくもない・・・か?

【文責:小柳 亮】

テーマ : 演劇・劇団
ジャンル : 学問・文化・芸術

公演記録#32.超能力刑事COLORS!(‘05.11. 6)

【会場】奈良教育大学 講堂
【スタッフ】現夢●内藤愛子 脚本・演出●小柳 亮 映像●川島賢太etc
【キャスト】一乗寺烈警視(ボス)・・・小柳 亮、荒井真琴刑事(アニィー)・・・田屋千春、千葉 恵刑事(チャオ)・・・清水香織、小山智子警部補・・・松井満梨江、芝木権蔵・・・川島賢太etc

【あらすじ】
警視庁捜査零課「SP-0」・・・
#32
近年続発する超能力犯罪を撲滅するため、超能力を持つ刑事だけで構成された秘密機関である。
あらゆる超能力犯罪に対処する「SP-0」が今回挑むのは、10年前に起きた傷害事件。
時効成立3日前になって、犯人が超能力者と判明し、捜査権がSP-0に移ってしまったのである。
被害者はボスの捜査一課時代の恩師・芝木の孫娘・野明。
彼女は10年経った今もなお、意識不明のままである。
今回の事件、当時、超能力で窃盗を繰り返していたアニィーが、実は深く関わっているのだが・・・

【解説】
正式タイトルは「超能力刑事COLORS!~君の名をほえる!時効成立0日前~」
大学祭で上演する事が前提で企画され、また、団員の1人が「推理モノをやりたい」という希望を以前より持っていた事から、「犯人当てクイズ」を劇中で組み入れる事が早期から決まっていた。
そして、推理モノから刑事モノに路線はシフトし、刑事モノでいくならば、#21でやった「超能力刑事」をバージョンアップさせようということで、決定稿の形にまとまった。(#21と世界観が同一の続編となったため、一乗寺と荒井は#21と同じキャストが配役されている)


ちなみに「COLORS!」とは、その年の輝甍祭のテーマ。劇中には、前年の#26でデビューさせた、当時の文化会イメージキャラクター「シカ蔵」も登場させ、大学祭実行委員会と文化会の双方に媚を売る努力をしている。
(ただ、「COLORS!」というモチーフを得た事で、SP-0の4人の刑事がイメージカラーによってより個性化、「変身しない戦隊ヒーロー」的な雰囲気を出す効果ももたらした)

本作を語る上で欠かせないのは、史上初めて、劇中に映像を使用したという事。
この年のサークルオリエンテーション用に短編のCMを作り、上映したが、本公演で取り入れるのはこれが初めて。(これも、サーオリで流したCMを観て、映像が作れる人材が入ってきたおかげである)
OP、EDのみならず、スクリーン越しの通信場面や回想シーンなど、10カ所近くで映像を挿入。この多用とも言える映像演出が、全体を通して(良くも悪くも)映画的な印象を残すこととなり、続く#33は完全に長編映画の作品として取り組むことになる・・・

#21の際は「太陽にほえろ」「西部警察」「古畑」など、刑事ドラマテーマ曲のオンパレードだった劇中BGM。今回は、超能力刑事のヒーロー性を強める意味で、渡辺宙明作の「宇宙刑事シリーズ」の楽曲を中心に選曲している。例外としては、香川洋子刑事(ヒロシ)が、同名のお笑い芸人よろしく「ヒロシです・・・」とテレパシー通信を送るシーンで「ガラスの部屋」が、アニィーが特定の物体の時間を元に戻す「逆転チェスト」を使う際に「プレイバックPart2」がそれぞれ選曲された。

なお、「犯人当てクイズ」は、開演前に受付で、全観客に犯人と思う登場人物を一人選んでもらい、開演と同時に締め切って、正解者の中からさらに抽選、当選者の名前を「○○さんの証言によると・・・」といった具合に本番ぶっつけで台詞に組み込み、劇中で発表してしまうというスタイルだった。(賞品は上演終了後、ボスが劇中でも変装したサンタクロースの姿で当選者に手渡しした)

ちなみに、本作用の特設HPは、管理者が卒業する08年度までそのままになっており、4年間近く、キラキラ座の公式HPとして機能(?)していた。


【キャラクター・ピックアップ】

◎千葉 恵刑事(チャオ)
 京都府警からSP-0に配属された超能力刑事
 強力な透視能力を持ち、自分が入れたお茶に浮かんだ茶柱をコンパス代りにダウジングし、事件の手掛かりを探しだす。強力ゆえに、その透視は滅多に使えない。イメージカラーは緑。
 最近のキラキラ座の芝居では珍しい、関西弁のキャラクター。劇中でも、ムードメーカーとして、かなりの存在感を発揮した。


◎宇宙刑事フェスティバン
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 放送中の特撮テレビシリーズ「宇宙刑事フェスティバン」の主役ヒーロー
 劇中冒頭、とある超能力犯罪者が「宇宙刑事フェスティバンショー」に怪人ゴキブリフマキラーの着ぐるみを着て乱入したため、ボスはフェスティバンに扮し、ショーの流れを壊すこと無く逮捕した。アニィー扮する女宇宙刑事キューティーアニィーのアシストを受け、レーザーブレードによる必殺技「フェスティバンダイナマイト!」を華麗に決めた。

 実は奈良県のローカルヒーローであるフェスティバン
 正式には宇宙刑事ではなく、輝甍戦士フェスティバンという。
 03年の子どもフェスティバルで初登場し、本作で満を持してキラ座公演に登場。
 その後、映像媒体の#32の裏と#33に登場している。
 最近は、大学祭中にも出現しなくなり、結婚式の余興などで活躍する日々だが、果たして、舞台での出番はあるのか?

【文責/OB:小柳 亮 】

テーマ : 演劇・劇団
ジャンル : 学問・文化・芸術

ニューカテゴリ「公演記録」

15周年記念企画!・・・って程でもないですが、
この制作日誌を使って、劇団キラキラ座歴代39の公演を1作品ごとに紹介していこうかと思います。

執筆は当時のキャスト、もしくは脚本担当者

紹介する順番は公演順ではなく、完全にランダムになりますが、
11月1日の公演当日までには、全ての公演のレビューが揃う・・・筈?



こういう形で、風化していく記憶を記録に残す
「今に至る足跡」を「未来」のキラ座に伝える



・・・という狙い以外に、今回のために特化したもう一つの狙いがあるのですが、
それについては追々・・・


ちなみに、各公演のレビューには、キラキラ座HP(http://kirakiraza.ikaduchi.com/)の「公演記録」からも飛べるようになります。
さて、紹介される最初の作品は・・・?





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少し時系列が前後します

                                                  拝啓母上様

 前略。お久しぶりです、ゲンパチです。この度我がキラキラ座の稽古風景なるものをお伝えしようと手紙を書かせていただいた次第です。
 8月1日(土)に私共は公民館なるところにて現役生、OB生交えての大々的な稽古をしておりました。殺陣などの稽古も本格的に始めたためか、次の日は腰が痛くて仕方がなかったものです(泣)


 そうそう、OB生交えての稽古ということで途中座長様が来て下さりました。お会いするのは初めてでしたが、立派な顎髭をお持ちの精悍な偉丈夫でした。また以前私がお話ししていたジュダイ隊長にもその時初めてお会いできました。(否が応にも体の疼きが止まりませぬ)
 その他様々なOBの諸先輩方にお会いしましたが殆どの方々が初対面なものでして、まだまだ未熟な若輩者であることは百も承知ですが、出来うる限り友好の契りを交わしたく思われます。

 さて最近は蝉の求愛活動などもとんと目立たなくなってきて、少しは過ごしやすい気候になっているかと思われますが、何卒怪我、病気などには気を付けられ御自分の御体を労ってくださいまし。





 というわけでゲンパチの手紙風に稽古風景を書かせていただきました。因みに僕は実家暮らしで母は隣の部屋で爆睡中です(笑)
 





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全員集合!

8月に突入しまして、とりあえず1人を除き、全てのキャストが稽古に入りました。
殺陣の組み立ても始まりまして、少しずつ形にしているそんな中・・・

現在公開中の「劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー」を、先日シノと観に行ってきたこやんです。

仮面ライダーに限らず、スーパー戦隊もウルトラマンもプリキュアも
近年のヒーロー作品は、やたらと「全員集合!」を乱発しております

・・・まぁ、別にいいんですけどね。
好きですから「全員集合!」
なんか、無条件でワクワクするんです。

この「全員集合!」という企画は、歴史を積み重ねてきたものにのみ許される特権中の特権

15周年、んでもって40作目というキリのいいタイミングで、
キラキラ座も、キラキラ座なりの「全員集合!」が出来ないか・・・


これが、本企画の発端であります。


制作上では、スタッフ・キャストに、これまで関わってきた人をたくさん入れることで、全員集合が成り立つんですが、
作劇上で全員集合的な空気をどう出すか・・・


過去の公演に出てきた歴代キャラの総動員・・・
実は10周年記念のCDドラマでやった事があるんですが、キャラがちゃんとした認知度を得てない以上、正直、身内しか分からない訳で、初めてみる人にはさっぱり話が分からない。
聴く人が限られていたCDドラマでは良かったかもしれないけど、本公演でソレをやる訳にゃ、やっぱいかない。

では、どうすれば・・・

登場人物が集合する事で盛り上がる話、何か無いか・・・



と、考えてたら、あったんですよ。



「南総里見八犬伝」が!



これは、私個人の偏った捉え方なのですが、
八犬伝は「集団ヒーローものの原点」だと思うんです。

「衝突等を経て結束して行くヒーローの集結模様」
「ニセモノや変装による何重もの逆転劇」
などなど・・・

数多あるヒーロー番組に繰り返し使われる要素の原点はすべて八犬伝に見い出せるなぁと。
(これが本当に江戸時代の日本で創られたのかと思うと、改めて驚きます)

んで、「他人戦隊ストレンジャー」や「超能力刑事COLORS!」のようなキラキラ座ヒーロー路線を作ってきた身としては、この原点を外すわけにいかないと思い、舞台化を目論んで、以前からプロットを書いていたのですが・・・

今回、それをキラキラ座の記念公演に持って来る事になったという訳です。


まぁ、キラキラ座でやるという想定になった時点で、プロットは大幅に改編。
「八犬伝」ではない、キラキラ座なりの「8犬伝」になって・・・いるとは思います。

ですから、戦国の世の日本の話だと思って、ご覧になるとえらい事になるんじゃないかと・・・w


まぁ、どんな話かはHPやこのブログで、紹介してまいります。


ところで、昨年公開されたウルトラマンの全員集合映画
タイトルは「大決戦!超ウルトラ8兄弟」

今回の「大劇戦!THEキラキラ8犬伝」の台本を書き始めたのが、「今度のウルトラ、どんな映画なんだろう」と心弾ませていた、昨年の4月頃だったのですが・・・

えぇ、そうです。モジリってヤツですよ。




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